二丁の拳銃
二〇二三年九月九日
二丁の拳銃
鳥貴族における庶民
二〇二三年九月九日。僕は友人と居酒屋で今後の予定を立てていたが、財布のなかに所持金がほとんどなかっため、自分用にハイボールを一杯だけ頼んで、ちびちびと飲んでいた。僕と対照的な裕福な友人は、口のなかへ次々と酒を運び続けるから、僕はベルトコンベアの横に佇む作業員になった気がしていた。僕は豪快に笑うこの友人が好きなのだが、所持金の差異によって友人に気を使わせてしまったことが悲しかったようだった。この事態がいかに文章に落としこまれているのかは分からないが、多分、僕が書いた文章はこの事態を表現していると思うから、解明が急がれる。僕はこう書いていた。
山地大樹
二丁の拳銃
拳銃を二丁ください、僕とあなたのため。
一緒に引き金を引いたなら、銃声は一度だけ響きわたる。
愛の銃声は世界を震わせ、恐怖と混沌が押し寄せる。
心の底に沈む船、許されることない貝の唄。
拳銃を二丁ください、夢と現実のため。
一緒に引き金を引いたなら、銃声は一度だけ響きわたる。
現実と夢は終止符を打たれ、世界は底に沈む鳥。
海底と砂漠が手を結び、真っ赤な雪が降り注ぐ。
季山時代
2023.09.09