Archive Walker

夢のなかのなか、世界の奥の奥

二〇二三年八月三日

夢のなかのなか、世界の奥の奥

彼岸の彼岸

二〇二三年八月三日。憂鬱そうな僕は、寝台のうえで寝たり起きたりを繰り返していた。寝ては起きて、起きては寝て、その反復のなかで、苦悩に満ちた表情を浮かべたり、恍惚とした表情を浮かべていたりした。僕は、目覚めと眠りの向こう側にある不思議な場所にたどり着いていたようだ。その場所は、シュルレアリスムの夢と関係あるのだろうか。僕はこう書いていた。

シュルレアリスム宣言・溶ける魚

山地大樹

他の何処よりも罪深い場所

ある朝、眠りについた私は、その眠りのなかで再び眠りについていた。夢のなかの夢のなか、世界の奥の奥。この二重化された中性的な場所で、私は溶解しながら死に向かって疾走していた。陸のなかで溺れる魚のように、世界のなかで溺れる魚であった。死に向かう私は、透明な踊り子だった。そして、死に接近してゆく私の右手が死に触れて、その途端、何かが変わり始めるのを感じた。世界が煌めき出して、あらゆるものが生き生きと輝きに満ち始めた。なんと鮮やかで豊潤な世界。しかしながら、この夢のなかの夢は長くは続かない。なぜなら、この場所は他の何処よりも罪深い場所だからである。この綺麗な場所に居続けたいが、ここに居てはならないと顔も知らない誰かが呼びかけ続けるから、この場所に居続ける罪悪感を拭い去ることなど到底できない。私は目覚めなければならない。心地よい倦怠を感じながら、私は目覚め、その目覚めのなかで再び目覚めた。あの場所を忘れることはない。

季山時代
2023.08.03